NAUTIRAID Greenlander 500 MKIII (ノーティレイ グリーンランダー500MKIII) 1人乗りフォールディングカヤック 
2002年・フランス製  所有期間:
2002.9〜2004.6
■購入の経緯

2002年8月、カヤック仲間がフェザークラフトK1を中古で購入。これがきっかけになり、カサラノには無い初期安定性の高いカヤックが欲しくなりました。
と言うのも、カサラノでツーリング時に写真撮影をした場合、少し波があると「手振れ」ならぬ、カヤックが傾く事による「艇振れ」が頻繁に発生していたから。「写真撮影に向くカヤックが欲しい」と思っていたところにカヤック仲間のK1購入。私もその手のカヤックが無性に欲しくなり、思い切って購入しました。

上記は購入のきっかけですが、皆さんご想像の通り、自分のスキル不足が原因で、気を使わずに漕げるカヤックが欲しかった事も購入理由の一つです。

更に、ちょうど良いタイミングで、サウスウィンドさんに新艇の特価品があったのもきっかけです(私には珍しい新艇購入)
■インプレッション(1)〜概要

まず第一に、大変美しいカヤックであります。カサラノのスマートさとは異なりますが、シルエットも大変綺麗です。また、ノーティレイのウッド・フレームは大変美しく、このグリーンランダーは最もフレームが美しいファルトだと私は思います

漕いでみると、張り出したガンネルにしっかりスポソンが入っているため、非常に安定しています。最初は違和感すら感じたくらいです。当然簡単には傾きませんので、外傾リーンなんてそう簡単にかけられません。しかし一方で、ハルがフラットなので、スイープにより比較的容易に進路変更は可能です。では直進性は悪いのかと言うと、バウとスターンは絞られており、キールがしっかり出ているので、直進性も併せ持っています。内傾させてバウとスターンのキールを抜き、スイープ。そうすると小回りもできます。

デッキが低いので、思ったよりも風の影響を受けません。私でも追い波に乗りやすく、そんな時はリジットにも追いつけるくらいスピードが出ます。

バウデッキに予備パドル用のスペースがあります。これは使いやすいです。
■インプレッション(2)〜組立

説明書はイラストも無い、フランス語の文書のみ。最初見たときは焦りました。しかしフェザークラフトどころか、フジタカヌーの各艇や、やパジャンよりも簡単。アルフェックに似た感じの組み立て方法です。ファルトを組んだことある人ならすぐに理解できます。

しかしながら、何度か組立てをしていると、組立のコツがいくつかある事が発覚。それを把握するまでの組立て時間は結構かかりました。最終的に30分弱がレギュラータイムになりました。

よく乾かさないで収納した場合や、シーズン始め、低温時などは、船体布がかなり縮み、テンション掛けに大変苦労をします。これはフェザークラフトも同様ですので、ハルにハイパロン系の素材を使うカヤックの宿命と思われます。この対策は、組立前に船体布を濡らすこと。低温時はお湯をかけるのも有効です。
■インプレッション(3)〜欠点?

個人的に最大の欠点と思っているのは、ラダーシステムです。まず完全にフリップ・アップしません。これが高い波の中ではかぶってしまいます(一度波に90度方向に曲げられた時には困りました)
また、ペダルがバケット式で、一度足をはずすとなかなかはめられずに困りました。
そんな事から、私は4回目より、ラダーは着けないようにしておりました。ラダーが無くても十分操作性に優れたカヤックだと思います(単に私がラダー嫌いって事もありますが)

コクピットが大きく、純正のスプレースカートしか使えません。また、純正シーソックは用意されておりません(社外品も装着できる製品は見つかりませんでした)浮力体は必需です。

艤装はデッキコードが着いておりません。自分で回せば良い事なのですが(上の写真、コクピット前に着けております)、スターンは全開する構造故、毎回コードを取り回す必要があります。
■スペック

生産国:フランス(現在の代理店:パール金属
全長:5000o / 全幅:670o重量:25s
(持ちにくいからでしょうか、重量はもっと重く感じます)
最大積載容量:150kg
当時のカタログや雑誌に表記されていた100kgは間違いです。購入にあたり、メーカーに確認してもらいました
フレーム素材:ウッド
船体布素材 デッキ:ポリエステル / ハル:ハイパロン
■収納

収納ケースは2つになります。
一つにまとめられないものかと色々考えましたが、フレームがたたんだ状態でも長い為、この形となります。
公共交通機関利用時などはバックパックを別の物にし、船体布、キャンプ道具などを背負うのが良いと思います。
■改造点

2003年3月、カヤックビルダーのココペリ氏に依頼して、バウハッチを付けてもらいました。
これにより長いバウ・スペースも有効に使えるようになった事は勿論、撤収時の艇の乾燥が早くなりました。

尚、ココペリ氏のマークは後日私がペイントしました。